歯ぐきから血が出る・グラグラする

歯周病のおそれがあります

歯周病のおそれがあります歯周病は、細菌感染によって歯の周りの歯ぐき(歯肉)やあごの骨などの歯周組織に炎症が起きる病気です。放っておくと炎症はどんどん悪化して、「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯ぐきの間の溝が深くなり、最悪の場合は歯を失うことになります。歯科診療所で行う主な治療は、歯石除去、歯みがき指導、定期観察の3つが大きな柱です。

平成5年の歯科実態調査

現在、歯周病は40歳以降に歯を失っていく大きな原因となっています。平成5年の歯科実態調査によると、35~44歳では約3割もの人が炎症が骨にまで達した「歯周炎」にかかっています。炎症が歯肉だけにとどまっている「歯肉炎」の人も含めると、この年齢では実に8割の人に歯周病の症状が認められているのです。21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)では、「歯の健康」分野の今後の目標の1つとして、「40、50歳における進行した歯周炎に罹患している者(4mm以上の歯周ポケットを有する者)の3割以上の減少」を挙げています。

歯周病セルフチェック

「歯周病かも……?」と心配な方は、以下のセルフチェックをご利用ください。当てはまるものが多い方は、歯周病にかかっているおそれがあります。お早めにご相談ください。

  • 歯ぐきが赤く腫れている
  • 歯みがきをすると歯ぐきから出血することがある
  • お口のなかがネバつく
  • 歯ぐきがムズ痒い
  • 歯が長くなったように見える
  • 食べカスがはさまりやすくなった
  • 歯がグラグラと動く
  • 歯ぐきから膿が出る
  • 口臭がきつくなった

歯周病の進行段階

進行段階 症状
歯肉炎
歯肉炎

歯ぐきに炎症が起きている状態。ブラッシングの際などに出血しやすくなります。

歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)の深さ:3mm程度
軽度歯周炎
軽度歯周炎

あごの骨が溶けはじめた状態。歯ぐきが腫れ、ブラッシングの際に出血が見られるだけでなく、冷たい水がしみたり、口臭が出たりします。

歯周ポケットの深さ:4mm程度
中等度歯周炎
中等度歯周炎

あごの骨が半分くらい溶けた状態。歯を指で押すとグラつきます。歯ぐきの腫れや出血に加え、歯が浮くような感じがしたり、口臭が強くなったりします。

歯周ポケットの深さ:6mm程度
重度歯周炎
重度歯周炎

あごの骨の3分の2以上が溶けた状態。歯のグラつきがひどくなります。歯ぐきが下がり歯根が露出し歯が長く見えたり、歯と歯ぐきの境目から膿が出て口臭がよりきつくなったりします。この状態を放置すると、最悪の場合、歯が抜け落ちます。

歯周ポケットの深さ:8mm程度

治療法

歯みがき指導
歯みがき指導

歯周病治療の基本となるのは、毎日のブラッシングです。一人ひとりのお口の環境に適した正しい歯みがき方法を指導します。

※歯みがきは歯科医院での治療と合わせて行うご自宅でのケアとなりますので、継続して指導することがあります。
レーザー治療
レーザー治療
炭酸ガスレーザーを用いた歯周病治療です。患部にレーザーを照射し、歯周病の改善を促します。なお、レーザーは歯周病治療のほかにも止血や口内炎の改善、メラニン色素の除去、歯髄の保護にも使用します。
スケーリング
スケーリング
比較的軽度な症状の歯周病に対して行います。「スケーラー」という器具を使って普段の歯みがきでは取り除けない、歯に付着したプラークや歯石を除去します。
ルートプレーニング
ルートプレーニング
スケーリングで除去しきれなかった、歯周ポケット奥深くにこびり付いたプラークや歯石を「キュレット」という器具を用いて除去します。同時に、スケーリング後のザラついた歯面をなめらかに仕上げることで、汚れの再付着を防ぎます。
歯周ポケット
掻爬(そうは)術
歯周ポケット 掻爬(そうは)術
軽度~中等度の歯周炎に対して行う外科的処置です。局所麻酔を行って歯周ポケット内のプラークや歯石、膿、感染した組織を除去します。
フラップ手術
フラップ手術
中等度以上の進行した歯周炎に対して行う外科的処置です。局所麻酔をした後に歯ぐきを切開してあごの骨からはがし、露出した歯根に付着しているプラークや歯石を除去します。また、感染した組織も取り除きます。
再生療法

GTR法

GTR法溶かされたあごの骨や歯根膜などの歯周組織を再生させる再生療法の一種です。歯ぐきを切開して歯石を取り除いてできた空間に特殊な膜「メンブレン」を挿入し、歯肉の侵入を防ぎながら骨や歯根膜などの歯周組織の再生を促します。

エムドゲイン法

エムドゲイン法GTRと同様に、溶かされたあごの骨や歯根膜などの組織を再生させる再生療法の一種です。「エムドゲインゲル」という薬剤を歯根の表面に塗ることで歯が生えるときと同じような状況をつくり出し、歯肉の侵入を防ぎながら骨や歯根膜などの歯周組織の再生を促します。

歯周病が体に与える影響

歯周病の影響はお口のなかだけにとどまりません。以下のように、全身に与える影響が注目されています。

心臓病 歯周病菌が血管に入って炎症を起こすと、心筋梗塞や狭心症などが引き起こされることがあります。
肺炎 歯周病菌が気管から肺に入って炎症を起こすと、肺炎が引き起こされることがあります。
糖尿病 歯周病が悪化すると糖尿病も悪化し、糖尿病にかかっていると歯周病にかかりやすくなるなど、相互に悪影響を与えることが分かっています。
早産・低体重児出産 妊婦さんが歯周病にかかると早産や低体重児出産をまねく確率が上がることが分かっています。健康な妊婦さんと比べると、その確率は約7倍です。

歯周病治療で大切なこと

歯周病治療で大切なこと歯周病の治療のうち、歯科医院で行う主な治療は歯石除去、歯みがき指導、定期観察の3つとなりますが、なかでも中心となるのが歯石除去です。歯石とは歯ブラシでとりきれなかった汚れが積み重なり固くなったもので、歯周病を進行させるばい菌のすみかです。歯石をとらずして歯周病の治療はできません。

汚れが歯石になってしまうと歯ブラシでとることはできませんので、歯科医師や歯科衛生士が器具を使って歯石をとることになります。歯周病が進行している場合、歯石は歯の表面だけでなく根の表面にまでついていることが多く、歯周病の進行を防ぐには歯の根の表面の歯石まで除去する必要があります。ほとんどの方は麻酔せずに処置できますが、希望される方は麻酔後の処置とさせていただきますので、遠慮なくご相談ください。

歯周病を予防しましょう!

お口の健康を考えるうえで一番大切なことは、そもそも歯周病にならないように予防することです。予防歯科を受けて、歯周病にならないよう健康なお口の環境を守りましょう。